尿酸値WIKI

絶対的完成度を目指す神WIKI尿酸値編

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尿酸値とは体液中に溶けている尿酸濃度を意味する。
尿なら尿中尿酸値、血液なら血中尿酸値、血清なら血清尿酸値となる。

血清尿酸値

血清尿酸値とは血清100ml中の尿酸量をmg単位で表した数値であり、
血清とは血液から血球とフィブリノーゲンを取り除いた黄白色で透明な液体である。
通常、“尿酸値”とだけ表記する場合は血清尿酸値を示す。

血清尿酸値の平均は男性5.0mg/dl、女性4.0mg/dl。
測定誤差は0.2mg/dl、生理的変動は0.5mg/dl。

時間帯的には夜、季節的には冬に低下する。1)
小児期の血清尿酸値に男女差はなく、思春期以降は男性に比べて女性は1.0mg/dlほど低値を示す。
しかし閉経後には0.5mg/dl上昇し、2)、逆に妊娠中は低下する。3)
躁欝病に関しては躁状態の時には血清尿酸値が高く欝状態の時には低い傾向にある。4)

なお禁煙した喫煙者は禁煙しなかった喫煙者と比較して血清尿酸値が0.4mg/dl上昇する。5)

基準値(正常値)

血清尿酸値の基準値(正常値)は7.0mg/dl以下に設定されている。
7.0mg/dl以上になると尿酸が結晶化し始めるからである。

ただし人間ドック学会は健康診断の正常値を緩めるべきとの調査報告を行い、
約150万人に及ぶ人間ドック検診受診者の検診データを基に、
男性では尿酸値7.9までを新たな正常値として提案している。

基準値(正常値)を超えた状態を高尿酸血症と呼び、8.5mg/dl以上が治療開始の目安となる。
ただしこれは無症候性高尿酸血症(まだ痛風になっていない状態)の場合であって、
すでに痛風が発症している場合は6.0mg/dl以下にすることが奨励されている。6)

尿酸値が高いからといって必ずしも痛風になるわけではないが、
統計を見る限り9mg/dl以上だと遅かれ早かれほぼ痛風を発症する。7)

  • 7mg/dl以上=14年以上続くと16%が痛風を発症。
  • 8mg/dl以上=14年以上続くと25%が痛風を発症。
  • 9mg/dl以上=5年以上で20%、14年以上で90%が痛風を発症。

本邦初の大規模な調査によると高尿酸血症の有病率は成人21.5%、30代30%、10代16.3%だった。
女性では50歳未満で1.3%、50歳以上で3.7%であり、高尿酸血症患者全体の10%強が痛風になる。8)

尿酸

化学名2,6,8-トリヒドロキシプリン(C5H4N4O3)。

尿酸とは文字通り尿中に見られる有機酸の一種だが蝶の羽にも見い出される。
プリン体から生成され尿として排出されるが水に溶けにくいため結晶化しやすい
(砂糖の溶解度が200g以上であるのに対して尿酸塩は0.0064g)。

スキャベンジャー

単なる老廃物だと思われていた尿酸が実はスキャベンジャーとして次のような働きをすることが明らかになっている。

  • pH7.0でリノール酸の酸化を抑制する。
  • 100nMで赤血球膜の酸化を75%抑制する。9)
  • 脳を酸化から守ることでパーキンソン病のリスクを下げる(ハーバード大学)。
  • キレート作用により重金属イオンを除去する。

尿酸が最も高い抗酸化能を発揮するのは生理的濃度と同じ50~500μM(0.9~9.0mg/100ml)である。
尿酸値は肥満、運動、鉛中毒、アルコールなどで増加するが、
これらの条件下では過酸化脂質も増加することから、高尿酸血症は合目的的である可能性が高い。

秋葉原駅クリニック院長の大和田潔も尿酸について以下のように述懐している。10)

私は、男性の尿酸値がこんなにも上りやすい理由をこう考えています。
大昔、内臓脂肪という良いエネルギー源を抱えて遠くまで男性は狩りに出かけました。
炎天下の紫外線の下で、狩りという危険でストレスフルな運動を続け、大量の活性酸素に晒され続けたことでしょう。
日差しの強い南アフリカの原住民は、長寿のために抗酸化物質の多いルイボスティーを愛飲していました。
~尿酸は、活性酸素による体のサビつき(酸化)を強力に抑えてくれる還元剤でした。
筋肉や内臓脂肪、運動が尿酸を高めるというのは、男性を守る目的があったのではないでしょうか。
強い日差しのもと、営業で黙々と歩き続ける太めの男性の体を、
今日も尿酸は活性酸素から守ってくれているのかもしれません。

痛風天才説

尿酸は知能の向上にも寄与しているのではないかという仮説が流布している。
いわゆる痛風天才説と言われるものだが、その根拠としているデータは以下の4つである。

  • 歴史上の人物には痛風持ちが目立つ。
  • 統計的に社長や教授などの能力の高い職業に痛風持ちが多い。
  • 高知能グループに尿酸値の高い人が通常の2~3倍も含まれていた。
  • ラットの尿酸値を上昇させると記憶力が良くなる(Essman)。

痛風だった歴史上の偉人はアレキサンダー大王、フビライ・ハン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、
ニュートン、ダーウィン、ゲーテ、ミケランジェロ、ルターと枚挙にいとまが無い。

現代に目を転じてみても痛風になったことのある才人たちが散見される。
芸人・三村【さまぁ~ず】は『リンカーン』の痛風企画で特集されている。
同じく高橋【サバンナ】は『黄金伝説』の一万円生活中に痛風発作を起こしており、11)
ケンドーコバヤシも『にけつッ!!』で自身の痛風体験を披露している。12)
中高年ネタで一世を風靡した綾小路きみまろは漫才の中で痛風だと明かしており、
俳優であり歌手でもある武田鉄矢も新聞の取材で痛風になった経緯を語っている。13)

今年の春先に痛風に襲われました。最初が8年前で2年に一度起きます。
痛風の原因は運動のし過ぎです。筋力トレーニング・自転車こぎ・中国拳法等々を
負けず嫌いの性格がムキになってやり過ぎという結果を招いたのです。そして痛風。

痛風と天才の関係について東京大学院総合文化研究科教授の石浦章一は以下のように説明している。14)

ヒト科の人間は他の動物とは異なり尿酸を分解する酵素を持っていないが、
これは尿酸を貯め込むことで高い知能を獲得したものと考えられている。
もしこの仮説が正しいなら天才は尿酸を貯め込むことで天才になり、
その代償として痛風というリスクを抱え込んだと言えるだろう。

痛風天才説は何も今に始まった事ではなく、
18世紀半ばには「痛風発作は賢者に多く起こる」という記述が見受けられ、
1927年にはハヴェロック・エリスがより詳細に痛風と天才の関係を論じている。

さまざまな分野で卓越した知的能力を示した天才的な痛風患者の人たちに見合うような、
痛風でない人たちを見出すことは不可能である。
それに、これらの天才的な痛風患者は、多くの場合風変わりで(常軌を外れて)、
また怒りっぽく、かんしゃく持ちであることも多く、たまには狂人的なこともある。
この能力と痛風の関係が、単なる偶然的な一致ではありえないことである。
その毒性物質が患者の血液中に含まれていると、患者の心が異常に明快にまた活発になる。
天才は痛風の所産ではないが、痛風を生じさせる毒性物質が、
知的な能力に間違いなく刺激として、また知的な成果への助けとして働いたのであろう。

学術的にも尿酸値と知能・能力の関連性を示す以下のような報告が存在する。

  • ミシガン大学教授の業績と尿酸値は有意に相関していた。15)
  • 海軍軍人において知能テストと尿酸値は低いながらも有意の相関を認めた。16)
  • 指導階級の男性は労働階級よりも尿酸値が高かった。また、高校生には知能と尿酸値の相関が認められた。17)

しかし臨床的には痛風天才説を否定せざるを得ない以下のような事実がある。

  • 低尿酸血症でも優秀な人は多い。
  • 痛風の治療で尿酸値を下げても知能は下がらない。
  • レッシュ・ナイハン症候群の攻撃的な性格は尿酸値を下げても変わらない。
  • 細胞には尿酸の受容体がないため尿酸が脳に影響を与えるとは考えられない。

こうした反証を踏まえた上で保健管理センター所長の西田ゆう太郎は次のように結論している。18)

社会的地位が高く、経済的に恵まれた活動的な人が高プリン食を好み、結果的に高尿酸血症になると考えられる。
1) 山中寿『痛風とつきあう法』P.112
2) Mikkelsen WM, Dodge HJ, Valkenburg H : The distribution of serum uric acid values in a population unselected as to gout or hyperuricemia : Tecumseh, Michigan, 1959-1960. Am J med 39 : 242-251,1965.
3) Doyle JA, Camphell S, Duncan AM:Serum uric acid levels in normal pregnancy with observations on the renal excretion of urate in pregnancy. J Clin Path 19:501-503,1966.
4) 日本薬学会『痛風予防のA・B・C』P.65
5) 水野正一,冨田眞佐子,村山隆志:禁煙が血清尿酸値上昇に及ぼす影響(縦断研究).痛風と核酸代謝30:217-222,2006
6) 日本痛風・核酸代謝学会『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン[第2版]』P.79
7) Hall AP, Barry PE, Dawber TR, et al:Epidemiology of gout and hyperuricemia;A long-term population study. Am J Med 42:27-37,1967
8) 冨田眞佐子,水野正一:高尿酸血症は増加しているか?;性差を中心に.痛風と核酸代謝 30:1-5,2006
9) Ames BN, Cathcart R, Schwier E, et al : Uric acid provides an antioxidant defence in humans against oxidant and radical-caused aging and cancer : hypothesis. Proc Natl Acad Sci USA 78 : 6858-6862,1981.
10) 大和田潔『糖尿病になる人 痛風になる人』P.130
11) 『いきなり!黄金伝説2012年6月1日』
12) 『にけつッ!!』「ケンコバ絶叫!! 痛風発症で痛すぎる体験談」
13) 日本経済新聞2001年7月21日
14) 石浦章一『遺伝子が明かす脳と心のからくり』
15) Brooks GW, Mueller E: Serum urate concentration among university professors. JAMA 195 : 415-418,1966
16) Stetten De WJr, Hearon JZ : Intellectual level measured by army classification battery and serum uric acid concentration. Science 129 : 1737,1959.
17) Duun JP, Brooks GW, Mausner J, et al : Social class gradient of serum uric acid levels in man. JAMA 185:431-436,1963.
18) 西田ゆう太郎『やさしい痛風・高尿酸血症』P.32
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