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アルコール

飲酒による血清尿酸値への影響には個人差と酒差がある。

個人差では男性よりも女性、肥満より痩身の方が上がりやすく、
同性同型ではアルデヒド脱水素酵素の生成量により差違が生じる。

※アルデヒド脱水素酵素=アルコール分解酵素

酒差では血清尿酸値はビールでのみ上がり、ウイスキーと焼酎では上がらない。1)
また尿中尿酸排泄量はビールでは増加し、逆に日本酒とウイスキーでは減少する。
そして低アルコール、ノンアルコールビール、凍結乾燥ビールを対象にした研究ではいずれも血清尿酸値が上がっており、2)
プリン体カットビールでは尿酸値の上がり方が3分の1になると報告されている。3)
ちなみにビールでは飲酒量に比例して血清尿酸値が上昇していくが、
逆にワインだと1杯(4オンス=113.6cc)までならむしろ飲酒量に反比例して血清尿酸値を低下させる。

しかし深酒した時には酒種に関わらず乳酸による尿酸排泄低下が起こり血清尿酸値が亢進する。
深酒の定義は体重65kg当たりアルコール120g以上である。
この量はビールなら2340mL以上、ウィスキーなら300mL以上、
日本酒なら780mL以上、焼酎なら400mL以上に相当する。

日本酒1合強またはビール大瓶1本の飲酒では血清尿酸値が平均0.8mg/dL上昇するが、
これは毎日飲酒する人の場合であり普段飲酒しない人では血清尿酸値は上がらない。
また毎日飲酒する人では痛風発作がより低い尿酸値で起きるようになる。

したがって高尿酸血症における安全な酒量の目安はワインを毎日1杯、
もしくはビール中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯のいずれかを1日置きとされる。

アルコールと高尿酸血症の因果関係を裏付ける疫学調査

米国男性2万8990人を対象にした研究ではアルコール摂取集団の発症リスクは1.2倍高かっく、4)
米国男性4万7150人を対象にした研究でも飲酒量が多い集団ほど発症リスクが高かった(P<0.0001)。
具体的にはビールでは1.5倍、スピリッツでは1.2倍、ワインではリスクの上昇は見られなかった。5)

また日本でも飲酒家に高尿酸血症発症頻度が高く飲酒が痛風発作を誘発すると報告されており、6)
詳細な実験としては自身痛風を患う納光弘(鹿児島大学病院内科教授)の報告が挙げられる。
それによると血清尿酸値は飲酒量に比例して上がり断酒すると下がった。7)

まず初めに、本気で大量のビールを飲んでみたところ、翌朝の採血で尿酸値は7.2mg/dlまで上っていました。
次に、断酒を9月20日から29日まで10日間続けたところ、5.8mg/dlまで下がったのです。
その次は、9月30日から日本酒を毎日3合、4日間続けて飲んでみたところ、7.0mg/dlまで上昇しました。
その後、10月4日、今度は日本酒をしこたま飲んだ(6.5合)ところ、8.0mg/dlまで上りました。
それでまた10月5日から5日間断酒をすると、やはりまた6.3mg/dlまで下がったのです。

アルコールが血清尿酸値を亢進させるメカニズム

  1. アルコールが代謝される際にATPが消費されて尿酸値が上がる。
  2. アルコールが代謝される際に血中酢酸値が上昇する。
    1. 酢酸がATPと反応してアセチルCoAとなる。
    2. アデニンヌクレオチドの代謝回転が早まりプリン分解が亢進して尿酸が作られる。
  3. アルコールが代謝される際に血中中性脂肪値が上昇する。
    1. 脂肪合成にはNADPHを消費するため消費された分のNADPHが生成される。
    2. NADPHを生成するのは6-ホスホグルコン酸への反応であり、グルコース-6-リン酸がその起点となる。
    3. グルコース-6-リン酸はPRPP合成を亢進させこの結果プリン生合成を盛んにする。
  4. アルコールが代謝される際にNADから過剰のNADHが作られる(深酒時)。
    1. 乳酸脱水素酵素(LDH)の反応が乳酸産生に傾く。
    2. 増加した乳酸が尿細管において尿酸排泄を抑制する。
1) 日本薬学会『痛風予防のA・B・C』P.56
2) 日本薬学会『痛風予防のA・B・C』P.57
3) 日本薬学会『痛風予防のA・B・C』P.61
4) Williams PT:Effects of diet,physical activity and performance,and body weight on incident gout in ostensibly healthy,vigorously active men. Am J Clin Nutr 87:1480-1487,2008
5) Choi HK, Atkinson K, Karlson EW, et al : Alcohol intake and risk of incident gout in men:A prospective study.Lancet 363:1277-1281,2004
6) 上田孝典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン;混合型二次性高尿酸血症.痛風と核酸代謝26(Suppl.1):63,2002
7) 納光弘『痛風はビールを飲みながらでも治る!』P.57
takai/alcohol.txt · 最終更新: 2015/10/22 01:40 by kamiwiki