乳幼児突然死症候群WIKI

絶対的完成度を目指す神WIKI乳幼児突然死症候群編

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うつ熱

乳幼児突然死症候群では死亡後しばらくしても体温が異常に高いことから、
うつ熱が仮説のひとつに挙げられている。1)

うつ熱とは熱の発生量が熱の放散量を超えた時に生じる高体温状態である。
赤ちゃんは寒いと泣いて知らせるが暑いと熱の産生を抑制するために眠り続けるため、
周囲に気付かれることなく熱中症に陥って死亡すると推定される。

欧米ではオーバーヒーティング(over heating)と呼ばれており、
早くも1974年に提唱されて以来幾度となくこの仮説が浮上している。

乳幼児は寒さに対する抵抗力が弱いがこれは暑さに対しても同様である。
うつ熱の予防には着せ過ぎない、暖房の温度を上げすぎない、うつぶせ寝にさせないことが重視される。
うつぶせ寝はあおむけ寝と比較して放熱量が少なく体温が上がりやすいからである。

年代報告者内容
1974年Dallas寒い日または風邪の時、子供に厚着をさせ寝具をたくさんかけがちであることを指摘。
1979年Bacon必要以上に衣服を着せられ暖房器具のそばに寝かされていた乳幼児たちがショック状態に陥り入院後に死亡した症例を発表。
1980年Stantonオーバーヒーティングが乳幼児突然死症候群に関連しているという仮説を検証。34例中8例の剖検で日射病との関連が発見された。

熱性痙攣

うつ熱による急死のもう一つのメカニズムとしては熱性痙攣の最中に死亡することが指摘されていたが現在では否定されている。

ロバート・サンダーランドとジョン・エメリーの五年間に渡る調査では、
最初の熱性痙攣による入院の比率を各月に発生した乳幼児突然死症候群の回数と比較した結果、
乳幼児突然死症候群の発生が最も生じやすい冬季に痙攣による入院率が増加するという関連性は証明できなかった。

それに続くカロライン・ベリーの報告では、家族の病歴を調べることが最良の判定手段だとした。
もし兄弟姉妹に熱性痙攣が生じたとすると該当する乳幼児に熱性痙攣が生じるリスクは20%前後だからである。
しかし乳幼児突然死症候群の兄弟姉妹の入院に関する初回のORLS調査の結果では、
兄弟姉妹164人のうち熱性痙攣で入院した乳幼児は2人だけだったという否定的なデータが出ている。

そもそも熱性痙攣は生後6ヵ月から6歳未満の乳幼児で多発するものであって6ヶ月未満で発生することはまれである。
それに加えて熱性痙攣の疫学調査においても乳幼児突然死症候群との関連性は見い出されていない。

悪性高熱

オーストラリアのデンバラーはうつ熱と乳幼児突然死症候群との関係に新たな光を当てた。
ある種の乳幼児突然死症候群が悪性高熱に関連しているという仮説を立てたのである。

悪性高熱とは体温が急激に上昇して筋肉障害を引き起こす症状で、
ブタの動物実験ではストレスの結果として突然死が生じ得ることが証明されている。

乳幼児突然死症候群で死亡した乳幼児の父親には悪性高熱の既往歴が確認されており、
その乳幼児15名中5名の筋肉標本からは悪性高熱による筋肉障害が認められた。

1) J・ゴールディング&S・リメリック&A・マクファーレン『乳幼児突然死症候群―その解明とファミリーサポートのために』P.148-151
genin/utunetu.txt · 最終更新: 2015/10/20 19:31 (外部編集)