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痛風とは高尿酸血症を背景とする代謝性疾患である。

語源

痛風の“風”は風疾(中枢神経系の病気)を意味する医学用語であり、
“痛風”という言葉は「痛みが起きる全身の病気」と解釈するのが正しい。

巷で流布している「痛みが風のようにやってきて風のように去っていく」、
「風に吹かれただけで痛む」という解釈はあとからこじつけた俗説に過ぎない。

痛風という病名が初めて用いられたのは南北朝時代(梁代)の中国である。
陶弘景(446~536年)による『本草書・名医別録』に記載されているが、
その後1347年(元代)に朱丹渓が『格致余論』の中で「痛風論」を書いて広まった。

日本では14世紀に有隣が『福田方』の中で初めて痛風という言葉を用いており、
1571年(安土桃山時代)には曲直瀬道三が著した『啓迪集』にも登場するが、
当時痛風とされていたものと現代の痛風とでは異なっていたと考えられている。

痛風の英語表記goutは滴を意味するラテン語guttaに由来しており、
痛みの間に悪い体液が一滴一滴排泄される事を意味する。
これはフランス語のgoutte、スペイン語のgotaなども同様である。
唯一ドイツ語のgichtだけは語源が異なり「魔法にかけられて起こる病気」と解釈される。

古代から中世にかけて痛風全般をpodagraまたはgonagraと呼称されていたが、
いまでは第一指足趾(足親指付根)の痛風を指す医学用語として使用されている。

なお日本では通風と誤変換されることが多く、意図的に通風と表記されることも多い。

歴史

痛風は人類の誕生する1億年以上前から存在していた。
物証は1990年にサウスダコタ州で発掘されたティラノサウルスの化石(愛称スー)である。
この化石に尿酸沈着が発見されたという論文が1997年に科学雑誌ネイチャーに発表されている。

翻ってヒトの痛風に目を向けると西洋では紀元前から存在していた証拠が残存する。
エジプトのピラミッドでは7000年前のミイラから尿酸が含まれた腎結石が発見されており、
ヌビアの共同墓地では紀元前100年以上前に死亡した男性の遺体から痛風結節が発見されている。

古代ギリシアではトロイア戦争時(BC13世紀)には多くの将軍が痛風を患っていたという記録が残っているが、
医学的に初めて痛風の症例を報告したのは医学の父ヒポクラテス(BC460~375年)である。

1世紀には痛風患者が発作中にオリンピック競技に出場していたとAretaeusが記録しており、
当時の哲学者は痛風を「病気の王」「王の病気」「歩けなくなる病気」と記述していた。

中国では遅くても西暦2~3世紀頃より痛風が存在していたと思われる。
中国最古の医学書『金匱要略』「中風歴節編」の中に、
“白虎歴節風”という痛風と合致する病名が記載されているからである。

英国では国王の痛風が原因でヘンリー4世(1367-1413)が結婚を延期したという史実があり、
仏国では1558年に出版された最初の痛風書『Libre de Podagra』が保存されている。

日本においては明治以前には痛風の記録がまだ存在していなかった。
安土桃山時代に来日したルイス・フロイスは「日本人には痛風がない」と記録しており、
明治初期にもドイツの医学博士ベルツが「日本には痛風はまれである」と記録している。
日本初の痛風は明治31年に東京大学の近藤次繁博士が「痛風性関節炎の1例」にて報告している。
その後日本では昭和30年を境に痛風が急増し、いまでは10代の子供にまで広まっている。

index.html.txt · 最終更新: 2017/03/30 12:37 by 36.12.36.27