痛風WIKI

絶対的完成度を目指す神WIKI痛風編

ユーザ用ツール

サイト用ツール


tiryou:kusuri:colchicine

コルヒチン

colchicine.jpg

コルヒチンとはコルチカム(イヌサフランの根部)から抽出した成分であり、
黒海東端の小アジアの町コルヒス(Kolfhis)から持ち帰られたことに由来する。
日本では製品名『コルヒチン』として塩野義製薬により生産され、2010年に高田製薬に継承された。

痛風発作を回避する目的で前兆期に服用するが発作の直前直後でなければ無効となる。
Gutmanの報告では536名の患者のうち80%が48時間以内に軽快しており、1)
Paulusが実施した二重盲検試験では発作頻度が75~85%低下し重症度も軽減している。2)
ただし副作用が強いので常用できず、薬の組み合わせ次第では相互作用による悪影響が起きる。

コルヒチンの代表的な副作用は以下の通りである。

血液成分異常発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血、歯肉出血
横紋筋融解症脱力、筋肉痛、手足のしびれ・けいれん、歩行困難、赤褐色の尿
末梢神経障害感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛む

コルヒチンと相性の悪い薬剤は以下の通りである。

  • カルシウム拮抗薬ニフェジピン
  • 消化性潰瘍治療薬シメチジン
  • 抗生物質エリスロマイシン
  • 抗生物質クラリスロマイシン
  • 抗真菌薬イトラコナゾール(イトリゾール)
  • 抗エイズウイルス薬リトナビル(ノービア)
  • 免疫抑制薬シクロスポリン(ネオーラル)

コルヒチンの中毒症状はヒ素中毒に類似し、呼吸不全により死亡することもある。

コルヒチンは危険と言うことで一度は使用されなくなったが、
18世紀末にフランスのHussonが痛風発作に対する有用性を再発見した。

いまでも欧米ではコルヒチンが標準薬となっているが、
それとは対照的に日本ではコルヒチンがあまり処方されなくなった。

世界第4位の製薬会社であるグラクソ・スミスクラインの日本支社は、
コルヒチンは痛風の特効薬ではなく副作用例も頻出していると指摘している。

なお、コルヒチンは適応外で家族性地中海熱、アミロイドーシス、強皮症、ベーチェット病などにも用いられる。

イヌサフラン

inusafuran.jpg

中央アジアに野生するユリ科植物。

紀元前15世紀のエジプトでは関節炎に使用された記録が残っており、
紀元前5世紀にはビザンチン医師団が「ヘルメスの指」という名称で使用していた。

確実な痛風発作に初めて投与したのはAlexander of Tralles(550年)だが、
当時は下剤の作用だけが注目され13世紀になるまで痛風薬として用いられる事は無かった。

痛風に対する有効性を初めて指摘したのはシチリア出身のローマ帝国医ペダニウス・ディオスコリデスである。
イヌサフランが一般薬として社会に広まる前は“痛風の秘薬”として知られていたと記録に残っている。

その後1820年にフランスの化学者PelletierとCaventonが有効成分コルヒチンを抽出し、1945年にDewerが構造式を解明した。

イヌサフランには猛毒があるが解毒剤は存在しない。
コルカチム100g中に157mgのコルヒチンが含まれているがヒトの致死量はわずか65mg/50kgである。

2007年4月にはギョウジャニンニクと思って誤食した新潟県民が死亡しており、
2008年1月には球根を掘り返して食べた福岡県の犬が血を吐いて死んでいる。

1) Gutman AB:Treatment of primary gout ; The present status. Arthritis Rheum 8:911-920,1965
2) Paulus HE,Schlosstein LH, Godfrey RG, et al:Prophylactic colchicine therapy of intercritical gout;A placebo-controlled study of probenecid-treated patients. Arthritis Rheum 17 : 609-614,1974
tiryou/kusuri/colchicine.txt · 最終更新: 2016/07/10 15:28 by 119.104.109.22